シーズン中のコントラスト筋トレで跳躍力とスプリント能力が向上—女性フィールドホッケー選手の研究から
オフシーズンではなくシーズン中に特殊なコントラスト筋トレを6週間実施することで、女性フィールドホッケー選手の跳躍力が5.7~29.6%、スプリント能力が1.6~1.9%改善することが明らかになりました。この方法は競技活動を続けながらも効果的に神経筋パフォーマンスを高められるアプローチとして注目されます。
研究概要
この研究は、女性フィールドホッケール選手を対象に、シーズン中に実施するコントラスト筋トレがどの程度パフォーマンスを向上させるかを調べたものです。対象となったのは準エリートレベルの女性選手25名で、通常のチーム練習に統合された6週間のプログラムを完了しました。
コントラスト筋トレとは、高い負荷での筋力トレーニングと低い負荷での爆発的な動作を組み合わせたトレーニング法です。この研究ではさらに、競技に特異的な高速動作を組み込むことで、より実践的な効果を目指しました。
研究方法
各トレーニングセッションは3つのブロックで構成されていました。
- 第1ブロック:最大筋力またはサイズアップを目的とした高負荷の筋トレ(1回最大挙上重量の70~85%)
- 第2ブロック:第1ブロックと動作パターンが関連する爆発的な動作を低負荷(1回最大挙上重量の約30%)・高速で実施
- 第3ブロック:フィールドホッケー特有の高速動作タスク
パフォーマンスの測定は、両足と片足のカウンタームーブメントジャンプ、腕を自由に動かしたジャンプ、10m走、20m走で評価されました。データ分析には反復測定分散分析を用いて、トレーニング前後での変化と選手のポジション(ディフェンダー、ミッドフィールダー、フォワード)による差異を検討しました。
結果と改善の詳細
全ての跳躍力テストとスプリント能力テストで有意な改善が見られました。
跳躍力は5.7%から29.6%の幅で向上し、特に片足での跳躍やより複雑な動作で顕著な改善がみられました。スプリント能力は1.6~1.9%の改善でした。スプリントの改善幅は跳躍力ほど大きくはありませんが、競技中の実際の走行速度に換算するとシーズンを通じて蓄積される意味は小さくありません。
これらの改善は、ストレッチショートニングサイクル(筋肉が引き伸ばされてから素早く収縮する動作パターン)に関連したパフォーマンスの向上を示しており、ジャンプやスプリントといった爆発的動作に直結する効果が得られたことを意味します。
実践への示唆
この研究の最大の利点は、オフシーズンではなく競技期間中にこうした改善がもたらされた点です。多くのアスリートにとって、シーズン中は練習量や試合の疲労管理が優先され、積極的な筋力強化は難しいという課題がありました。しかし6週間という短期間でも、工夫されたトレーニング構成により意味のある効果が期待できることが示されました。
コントラスト筋トレの利点は、高負荷の筋力トレーニングで神経筋系に刺激を与えた直後に、低負荷で高速の爆発的動作を行うことで、その刺激が素早く活用可能な力(パワー)へと変換される点にあります。さらに競技特異的タスクを加えることで、実際の試合状況に近い形でパフォーマンス向上が実現されます。
フィールドホッケー選手に限らず、ラグビー、バスケットボール、サッカーなど爆発的なジャンプやスプリントが重要な競技に関わる選手にとって、シーズン中のトレーニング工夫の参考になるでしょう。ポジションによる差異がみられなかったことも、この方法が異なる役割の選手すべてに効果的であることを示唆しています。





























